家に帰って来た高校生の娘が泣きだした。正確に言うなら、帰ってくる前から泣いていたのだろう。目元には涙の渇いた跡も残っている。
ひとまず落ち着かせて、何があったのか話を聞いてみる。すると、学校から帰る電車内で痴漢に遭ってしまったという。
それから駅から家までの道中、娘は悔しいのと怖いのと、でもどうしたらいいのかわからず、ただ涙が込み上げてくるばかりのまま家に辿り着いた。
涙で目元を真っ赤にした娘は、今も身体の震えが止まらないままでいた。
そんな娘に対して、私は何と声を掛けてやればいいのだろう。
「被害にあったからって、犯人でも無い人を犯人にでっち上げるのは絶対に止めような。裁判で嘘の発言をすれば偽証罪に問われるから」
「触られたくらいで騒ぐお前がバカ。魅力がなくて男にモテない、免疫のないこのブスが」
「まずは男を挑発する格好をやめような」
諸君なら痴漢被害に遭った娘あるいは姪や孫、彼女や妻に対して、果たしてこれらのような言葉を掛けられるものだろうか。
痴漢被害に遭い続けた女子高生が考案した「痴漢抑止バッジ」の記事に行われたコメント
痴漢被害に遭い続けた女子高生が考案した「痴漢抑止バッジ」が大人を動かした(小川たまか) - Yahoo!ニュース
痴漢されてから声をあげるのではなく、痴漢行為を未然に防ぎたい。そんな思いから、痴漢被害に遭い続けた高校2年生の女子が母と一緒に痴漢抑止バッジを考案した。
また一方で、これらのコメントに対しての苦言がTwitter上で見られた。
記事を読む限り、発案者の女子高生の意図は、「泣き寝入りしないという決意表明で自分の身を守る」ということですから、「自衛しない女も悪い」的な批判に対する回答でもあるし、発想がそもそも「抑止」にあるわけだから、「冤罪ガー」批判も当たらない。批判している人は何が気にくわないのか。— じこぼう (@kinkuma0327) 2015, 11月 3
Twitter上での苦言でも挙げられているが、痴漢被害の話が出ると、しばしば「自衛しない女も悪い」的な話が出てくる。そこを踏まえた上で、自衛手段として、抑止のためのバッジという答えを彼女は導き出しているわけだよね。なのに、なぜ彼女が責められなければいけないのか。
また目的が「抑止」であって「逮捕」や「訴訟」ではないのだから、「冤罪」云々の話は大いに的外れであることも明らかだ。批判している人はまったく何が気に食わないのか、と吾輩も首を傾げてしまう。
つい思わずヤフーニュースからFacebookのアカウントを見に行って、一体どんな人物なのか確認してしまったよ。
なぜこのようなコメントが出てくるのだろうか。
考えられる理由としては
- 記事を読んでいないから。
- 読解力がないから。
- 理解力がないから。
- 想像力が乏しいから。
- 頭が悪いから。
- 痴漢本人あるいは予備軍だから。
以上のうちのどれかに当てはまるのではないだろうか。
ヤフコメと言えば、頭の悪そうなネトウヨの温床というイメージがある。吾輩は今回のおかしなコメントをしている人たちから、そういうネトウヨたちと共通のものを感じたのだった。
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