革靴とスニーカーでは、なぜ表記サイズが異なるのか
春から新社会人や高校生になる人の中には、今までスニーカーしか履いたことがない、そんな人もいるでしょう。
そういう方は革靴選びの際に、いつも履いているスニーカーのサイズを参考にして靴を選ぶとまず「大きすぎる」と感じることかと思います。
捨て寸
革靴やブーツには捨て寸というものが予め設定されています。
捨て寸というのは、靴を履いた時につま先と靴の間にできる空間のことです。
歩く時には靴の中で足が前後に動くので、この空間(捨て寸)がないと窮屈だったり指を痛めたりします。
一般的には1.0cm~1.5cm程度の捨て寸が理想的です。
例えば表記サイズ26cmの革靴やブーツの場合、捨て寸を計算に入れてインソールの実寸は27cm~27.5cmくらいになるように予め設計されています。
つまり革靴やブーツのサイズは、履く人の足の大きさを表しているということになります。
スニーカーには捨て寸がない
対してスニーカーには、この捨て寸が設定されていません。
最近のスニーカーはインソールを取り出せるものが多いので、取り出したインソールをメジャーで実際に測ってもらうとすぐにわかりますが、スニーカーのサイズはインソールのサイズを表しています。
例えば27cmのスニーカーを履いている人の足の大きさは、大体26cm程度だろうと予測できます。
ただ捨て寸の取り方が人によって異なります。
27cmのスニーカーを履いていても、足長25~25.5cm程度で捨て寸を多く取るのが好みの人もいれば、足長26.5cm程度で捨て寸少なめが好みという人もいます。
ちなみに捨て寸や靴についてあまり注意を払っていない人は、捨て寸をほとんど取らずにきつめのフィットで履かれている人が多い傾向にあるように思われます。
そういう方の靴はつま先や指の甲が当たるライニング(内張り)が傷んで破けているケースが多いです。
これはヤフオクで中古の靴を多く取り扱っているうちに気付いた点です。
先の“革靴選びの際に、いつも履いているスニーカーのサイズを参考にして靴を選ぶとまず「大きすぎる」と感じる”ケースは、たとえばスニーカーなら27cmなので革靴も27cmを選んでみた、ということです。
この場合、本人の足の大きさは26cm程度なのに本来足長27cmの人が履く靴を選んでしまったため起きる失敗です。
27cmの革靴の場合、捨て寸も含めてスニーカーサイズに換算すると28cm~28.5cm相当になるわけですから、実際の足の大きさが26cm程度の人にはそりゃ大きすぎると感じるわけですよね。
革靴とスニーカーのサイズの違いを簡潔に言い表すと、
「革靴やブーツのサイズは履く人の足の大きさを表していて、スニーカーは靴(インソール)の大きさを表している」
と言えます。
足長(そくちょう)の測り方
では実際に自分の足の大きさ(足長)を測ってみましょう。
いろんな靴メーカーやブランドを覗いて、測り方をわかりやすく説明してくれてると思ったのは安藤製靴さんのHPです。
安藤製靴HP~サイズ
ポイントは靴下を履いた状態で測るということ。
当然ですが靴下によって生地の厚みは変わってきます。
ビジネス用の靴下と登山用やワークブーツ用の靴下とでは厚みが全く変わってきます。
従って靴を選ぶ際にもビジネスシューズとワークブーツでは、フィットするサイズがハーフサイズほど差があっても全然おかしなことではないんですね。
もちろんブランドやメーカーによって、捨て寸の取り方や木型の違いからフィットするサイズは異なってきますので、その点は注意した方がいいですね。
雑談
ヤフオクに革靴やブーツを出品すると、時々サイズについての質問があります。
以下のような感じです。
「普段履いているスニーカーのサイズを教えてください」
「NBならUS○○、アディダスはUS○○のスニーカーを履いてます。合いそうでしょうか?」
まずここまで読んでこられた方なら革靴やブーツを選ぶ際に、スニーカーのサイズはほとんど参考にならないことは、おわかりいただけるでしょう。
さらに言うと私は普段からスニーカーは履きません。
スニーカーはきちんとした靴が買えない貧困層の人たちが履くものだと教えられて育ってきたもので、いまだに好んで履いてみようという気にならないのです。
こういう質問をされる方には、
「実際にご自身の足の大きさをメジャーなどで測ってみて下さい」
としかお答えできません。
自分の身長や体重は把握してるのに、足の大きさを測るとなると、なぜか億劫に感じる人が多いようです。
何となく不思議ですね。
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